矢太郎Proの具体的な作業手順
①いきなり打ち込まずにスコップや鍬などで可能な限り深く地面を掘ります。できれば深さ50センチくらい掘れれば万全です。(矢太郎を2m程度打ち込んだあとは埋め戻した方がその後の作業がやりやすくなります)
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②穴があいている先頭管に矢じりを取り付けてしっかりねじ込みます。矢じりを取り付ける時にはシールテープは不要です。
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③鉄ソケットに叩き管(長さ10cmくらいの短い管です)をねじ込んでから先頭管に取り付けます。
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④打込み開始。使いやすいのは当社オリジナル、井戸打ち専用設計のホウワハンマーです。慣れている人なら大ハンマーや掛矢でも打込み可能ですがその場合は少々パワー不足なのと的を外して怪我をしないように十分注意されて下さい。また、お近くの建設機械レンタル店などで電動ハンマーや杭打ち機をレンタルされると効率的です。その場合のアダプターについては株式会社清水製作所のRAKUDAで穴内径45φが適合します。他には土牛産業株式会社の単管打込棒も使用可能です。
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⑤先頭の1メートルが入ったら叩き管を外して1本目と2本目のネジ部分に付属のシールテープを巻いてねじ込みます。ここが大切なのですが、ジョイント部の締め込みはパイプレンチを使ってしっかりガチガチに締め込んで下さい。理想的なのは鉄ソケットの中で管同士が接触するほど締め込むことなのですが、なかなかそこまで締まらなくてもそれに近いくらいガッチリ締め込んで下さい。(締め込みが甘いと打込み途中に緩んだり、空気を吸って水が上がらなかったりします)
※パイプレンチについては大型のものを2つご用意下さい。ただ大型のパイプレンチって以外と高価なので当社のおすすめはモノタロウの全長520mm TD050124です。安いし、使いやすくて頑丈です。
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⑥ここからは③④⑤を繰り返して2.5メートルくらいまで打込みを完了させて下さい。
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⑦管の中を水洗いします。早ければ深さ2.5メートルくらいから水脈に当たって水が出ることがあります。しかも浅いところで出る水は良質な水の場合が多いものです。水道ホースを井戸管の中に突っ込んで水道を全開で井戸管の中に入った土を洗い出すのですが、この時に中から出てくる土に注目です。土や泥なら期待は薄いですが砂や礫が出てきたら期待大です。地下水(井戸水)は必ず砂や礫など水を通しやすい地質の層に滞在してます。
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⑧出てくる水が透明に戻ったら井戸管の中をすべて洗い出せた証です。ホースを引き抜いてから井戸管の上まで水を注ぎ、井戸上にある水に大注目。注ぐのをやめた途端にサッと中に水が引き込めばほぼ水脈ヒットで井戸の成功です。水が上に溜まったままで下へ下がらないようなら水脈にはまだ到達してませんので⑨に進みます。
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⑨ここからは1メートル打ち込むたびに⑧で行った井戸管洗い出しと水脈チェックを繰り返し、水が下に引き込むまで繰り返します。
※井戸掘りとは簡単に言いますと地下にある砂礫の層を探す行為です。ここで一点大切な注意事項があります。それはせっかく水が出ているのに、もっともっとと欲張って深く打込みすぎると出るはずの水が出なくなる可能性がありますので要注意です。私も最初の頃は欲を出して打ちすぎて何度も失敗しました。大抵の場合、掘った初日が最も水量少なく、水質も良くないものです。少しづつでも良いので毎日水を出し続けているうちに「みず道」が出来て水量も増えて、水質も良くなってゆくものです。掘った初日の井戸は赤ちゃん井戸と心得て下さい。毎日使い続けることにより少しづつ育ってゆくものです。
DIYというのは総じて面白いものですが、これだけは断言できます。井戸掘りは数あるDIYの中でも最高に面白く楽しいDIYだと思います。やれば必ず実感できます。日々の暮らしにタダで使い放題の水が手に入るうえに、いざという災害時には家族とご近所さまの命を守ってくれる存在にもなります。こんな楽しいこと業者まかせではあまりにも勿体な過ぎます。是非チャレンジなされて下さいませ。
コツを得れば是非ご知人やご友人のところにも井戸を掘ってあげて下さい。災害対策にも普段の実用性の面でもすごく喜ばれること間違いなしです。