井戸を掘れば本当に水が出るのか?それとも出ないのか?目に見えない地面より下のことにぜったいはありません。実際に掘ってみないと事の真相はわからないものです。しかし、自分のように何本もたくさんの井戸を掘った経験のある者ならまわりの地形を見れば概ね見当はつきます。浅井戸で水の出る場所とは大昔に川底であった場所であることが多いものです。川底であった場所とは例えば山の沢筋にあたる場所や沢下に広がる扇状地、まわりを山に囲われた平野部などがそれに当たります。高い所に降った雨水がどのようにして流れてゆくのかに想像を膨らませばだいたいの予想はつきます。あと大切なのは深さ8メートル以内に砂や小石など水がしみ込む層があること。逆に水の出ない、出にくい場所とはまず山の尾根にあたる部分、平野部の中に存在する丘陵地、ため池の多い場所、山を切り取って造成したニュータウン、昔に湖や池だった場所やその近く、竹やぶの近くなど。
ただ、冒頭に述べましたように土の中にぜったいはないので、一見不利と思う場所でも掘ってみると水が湧き出ることもあります。自身の経験においても意外とたくさんあるもので、いろいろ考えてみてもこの水がどこから来たのかさっぱり見当がつきません。
そこで、井戸を望まれる方で一見不利に思える場所の場合はいきなり掘るのではなくテスト掘りをおすすめしております。地面に直径5センチほどの穴を開けてみて実際に水が有るのか無いのかを目視で確認します。料金は深さ5メートルまでが税別三万五千円、深さ8メートルまでが税別七万五千円で工事にかかる日数は半日程度です。
岩盤を貫く深井戸ならばどんな場所でもほぼ出ることは間違いないのですが、予算的に考えて現実的ではございません。公共水道の発達した現在においては低予算でつくれる浅井戸にこそ井戸を掘る意味があると思います。