解体工事をはじめとして土を触る工事となれば、私たちにとって無くてはならない車両(重機)が上記写真の通称「ユンボ」なのですが、このようなキャタピラー付きの台車にショベルが付いた建設機械を本来の名称としては油圧ショベル・パワーショベル・ドラグショベル・バックホウ・ショベルカーなどと言うものの、業界内では一般的にぜんぶひっくるめて「ユンボ」と呼びます。では何故ユンボと呼ぶのか?その意味について謎に思っている人はたくさんおられると思います。
私自身も高校生の夏休みにはじめて働いた土木現場のアルバイトで真っ黒に日焼けしたおっちゃん達がしきりに「ユンボが」「ユンボの」って話しておられたのを鮮明に覚えてます。ユンボというのは油圧ショベルのことだというのはすぐに理解できました。しかしそのおっちゃん達はブルドーザーは「ブル」、ダンプカーは「ダンプ」でエンジン式のコンプレッサは「エアーマン」、舗装工事の時のランマー転圧機は「うさぎ」。ぴょんぴょん跳ねるので「うさぎ」は理解できましたが、油圧ショベルだけがなぜか意味不明な呼び方で「ユンボ」と呼び、小さいのは「ミニユンボ」って呼んでいてその事をずっと謎に思ってきました。
そこで今回はその語源について一回ちゃんと調べてみましたのでご報告します。
ユンボは昭和36年に新三菱重工が製造していた機械の商品名だった
ユンボの語源・ルーツ
昭和30年代の日本、国産での重機製造はほぼ皆無に等しく海外(主にヨーロッパ)からの輸入に頼っていたのですが、昭和36年 新三菱重工(現在の三菱重工業)がフランスのSICAM社より技術供与を受けて製造した代表機種のY35をSICAM社の商品名である「ユンボ=Yumbo」の名称で販売しました。このY35がすこぶる性能が良く、評判も上々で売れに売れまくったそうで先の東京五輪である1964年開催の東京オリンピックにおける建設現場で大活躍しました。その後この商品名は油圧ショベルの代名詞として「ユンボ」という名称が土木建設業界を中心に広く浸透していったそうです。(フランスのシカム社についても現在ではユンボ社と社名変更されています)
因みにこちらの名機Y35は戦後日本の国土開発に大きく貢献を果たした建設機械として重要であるとされ未来技術遺産に選定されています。
新三菱重工製 Y35 ユンボの仕様
バケット容量0.25㎥、出力36ps、油圧95kgf/㎠、流量120L/min、油圧ポンプはギアポンプ1ポンプ1バルブ方式、最大掘削深さ4.05メートルで総重量8.3トン
現在同事業を継承しているキャタピラージャパンには「ユンボ」と名付けた商品はなく、建設機械の呼称のひとつとなっているものの、日本国内においては「株式会社レンタルのニッケン」の登録商標となっています。
用途別の名称
さらにそれぞれの名称について、現在では下記のように区別されています。
- パワーショベル
コマツが商品名として使っている名前。
- ショベルカー
おもにマスコミ関係などが報道で使う名前。
- バックホウ(バックホー)
日本の行政で使われている名前。
- ドラグショベル
国交省などの文書で使われる名前。
- 油圧ショベル
土木建設業界で一般的に使われる名前。
で、我々も含めて世間一般では、これらをひとまとめに”ユンボ”ってよんでいる訳なんですが、現在「ユンボ」という言葉はニッケンさんの商標ということだそうです。
名称についてご教授下さいました皆様、ありがとうございます。
>で、これらをひとまとめに”ユンボ”ってよんでいる訳なんですね。
だから、「ユンボ」は登録商標なので、
勝手にパワーショベル全般を「ユンボ」と言ってはいけないのです。
商標としての価値を失わせる行為ですので、ニッケンに怒られますよ。
株式会社ホウワの西川健次と申します。「ユンボ」の商標についてご指摘、ご教授ありがとうございます。今後は私どもも気を付けるようにします。
ウォシュレットとか、シャーペンとか、ドライアイスとか貴方普段何て言ってるんですか??
ニッケンもいちいちそんな事で怒らないと思いますけどww
>>勝手にパワーショベル全般を「ユンボ」と言ってはいけないのです。
商標権というのは「商標として使用」することがイケナイ事なのであって、一般の人、もしくは業界の人であっても、呼称として使うこと自体は別に何も問題ありません。
知ったかで適当なこと言うのはやめましょう。
ふつうに勉強になった。ありがとう
私も小学校の時にショベルカーと習ったのに、現場作業でユンボと言っているのが何故なのかを疑問に思っていました。
図鑑にはショベルカーと書いてありますしね。
しかしこのサイトを見てその謎が解けました。
ありがとうございました。
メッセージありがとうございます。今は東京2020が開催されていますが、前回の東京オリンピック時の会場づくりにY35ユンボが大活躍したそうです。時代の名機だったんですね。
Y35の性能がすこぶる性能がよくと紹介されていますが、すこぶるの意味は極々普通と言う意味なのですが、極々普通のそこら辺にあるショベルカーの性能ととらえていていいのでしょうか?
メッセージありがとうございます。Y35の性能がすこぶる性能がよくへのいんようですが、下記の意味で使用しています。
「すこぶる」の意味は「普通の程度を超えているさま。おおいに。たいへん」です。
そこら辺にあるショベルカーの性能は存じ上げません。
レンタルのニッケンって、エグイことしますね。ほとんど一般名詞だったユンボを登録商標するって、クズみたいな会社ですね。元々フランスの会社の商品名で、横からオイシイとこだけ持っていくなんて、レンタルのニッケン、極力使わない様にします。
過去に、一般名称として使われている名前が商標登録されていて、困ったことがありました。
そこで特許庁に問い合わせたところ、それなら向こうも分かっているでしょうし、了解を得たらどうですか?的なことを言われたので、相手に「一般名称なんで使いますけど、文句言わないでね!」と念押ししてから使用した事があります。
たとえ東京ではそうでなくても、特に関西や西日本において一般に使われているなんて事は良くあると思います。
その時、ちゃんと調べもしないで登録してしまった、特許庁が悪い。と思いました。
レンタルのニッケンは、ダメもとで申請したら登録されて、ラッキー!と思っているでしょうね。
長々かいてしまってすいません。
特許庁の賢い審査官さんたちは、建設現場でバイトとかした事無いやろうから、ユンボは初耳やったんやと思いますよ。
メッセージありがとうございます。
ユンボとかパワーショベルとか名前を聞いたことがある程度でしたので勉強になりました。ありがとうございました。
似たことで宅配便を宅急便と言うときありますが宅急便はヤマト運輸の商品名で佐川急便は飛脚便であり佐川急便の宅急便は存在しません。日立建機の油圧ショベルは「ランディ」が商品名です。でも言いやすいから一般的に言うようになったと思います。
[ユンボ]うん、うん、と、
全て読みました。
なぜ??ユンボと我々警備達も、
言って居るのか初めて理解出来ました。
お勉強に成りました。(*^▽^*)